ガバナンス

TRIMのコーポレートガバナンス

TRIMでは、経営の透明性と企業倫理の意識を高め、迅速な意思決定と効率的な業務執行に努めています。その充実および強化により、当社が資産運用を受託している日本プライムリアルティ投資法人(以下、JPR)の投資主価値の向上を目指しています。

TRIMの運用体制

TRIMの組織体系は以下の通りです。

2023年12月31日時点

TRIMの取締役会開催状況

役職 氏名 2023年役員会出席状況
代表取締役社長 城﨑 好浩 16回/16回 (100%)
取締役 投資運用第一本部長 久保庭 昇 16回/16回 (100%)
取締役 投資運用第二本部長 後藤 芳朗 14回/14回 (100%)(注1)
取締役 財務経営本部長 埜村 佳永 16回/16回 (100%)
取締役 小沼 裕 15回/16回 (93.8%)
取締役 野口 尊如 6回/6回(100%)(注2)
監査役 紅林 優光 16回/16回 (100%)
監査役 藤久保 力也 6回/6回 (100%)(注3)
監査役 神野 勲 8回/9回 (88.9%)(注4)
  • 2023年2月1日付で組織変更を行い、取締役 投資運用第二本部長 後藤 芳朗が就任しています。
  • 2023年4月26日付で、取締役 野口 尊如は退任しています。
  • 2023年4月26日付で、監査役 藤久保 力也は退任しています。
  • 2023年4月27日付で、取締役 神野 勲は就任しています。

投資運用の意思決定機構

TRIMは、投資運用の意思決定機関として「投資政策委員会」を設置しています。同委員会は代表取締役社長、議案を立案した本部長、財務経営本部長、特別委員で構成します。特別委員はTRIM及びJPRと利害関係のない第三者に委託し、現在は外部の不動産鑑定士を選定しています。また、同委員会には、コンプライアンス室長が出席し、議案の内容について遵法性の観点からの確認を強化しています。投資法人の投資運用の対象及び方針に関する事項、運用計画・実行に関する事項、個別資産の取得若しくは売却又は運用に関する個別事項なども、同委員会で決定します。
取得又は売却については、特別委員の出席する「投資政策委員会」での決定手続を必要としており、厳格な審議を経て意思決定を行います。更に、事前に同委員会の下部組織である「デューデリジェンス小委員会」を開催し、デューデリジェンス(=適正評価手続)の内容審査を強化しています。利害関係者との取引に関しては、特別委員を含む全構成員の賛成が必要であり、意思決定に慎重を期しています。
なお、各委員会の決定事項及び決定手続きが法令、諸規則、JPRの規約、社内規程等に違背していないか、各委員会開催の直前にコンプライアンス小委員会を開催して審議し、その結果をコンプライアンス室長が各委員会における審議に入る前に報告を行います。更に規程等に則りTRIMの取締役会及びJPR役員会への付議又は報告を各本部長及び各部長に指示します。

各意思決定機関の決議方法

機関名 決議の方法
取締役会 出席取締役の過半数により決議
投資政策委員会 構成員(代表取締役社長、担当投資運用本部長、財務経営本部長、特別委員(外部の不動産鑑定士資格を持つ者))の過半数の賛成をもって決議
但し、資産の取得・譲渡に関する事項で、利害関係者との取引に関しては、特別委員を含め全員の賛成が必須
※資産の取得・売却で、取引の相手方が利害関係者の場合、構成員全員の賛成をもって決議
コンプライアンス委員会 委員(代表取締役社長、担当投資運用本部長、財務経営本部長、コンプライアンス室長、特別委員(独立した弁護士資格を有する社外の有識者))の過半数が出席し、全員の賛成をもって決議
※利害関係取引及びフォワードコミットメント案件については構成員全員が出席

厳格な意思決定プロセス(物件取得時)

  • 投信法第201条の2に定める取引に該当する場合には、あらかじめ本投資法人の役員会による承認及び本投資法人の同意を必要とします。
  • 一般的な意思決定機構を示しており、取得案件の内容によっては、一部順序が入れ替わり、又は一部の会議等が開催されない場合があります。

TRIMの運用報酬

2023年6月期
(2023年1月~6月)
2023年12月期
(2023年7月~12月)
運用報酬1 244百万円 248百万円
運用報酬2 207百万円 209百万円
運用報酬3 306百万円 251百万円
運用報酬4・5 82百万円 -百万円

2024年1月(2024年6月期)より、JPRがTRIMに対して支払う資産運用報酬の一部に、サステナビリティ指標に基づく報酬を導入しました。これはJPRのGHG排出量削減割合、環境認証及びGRESB評価を指数化した倍率を乗じる仕組みであり、同じく今回導入した不動産等売却益連動報酬と併せて投資主利益との連動性向上を図っています。

2023年12月期までの運用報酬算定基準
報酬の種類 算定基準
運用報酬1
(資産連動報酬)
取得価格総額×0.05%
運用報酬2
(収入連動報酬)
総収入額×1.2%
運用報酬3
(分配金連動報酬)
分配可能基準額(不動産等売却損益を含む)×3.8%×1口当たり分配可能基準額の変動率
運用報酬4・5
(取得/合併報酬)
(売却報酬)
売買価格×0.5%
2024年6月期からの運用報酬算定基準
報酬の種類 算定基準
運用報酬1
(資産連動報酬)
取得価格総額(注1)×0.045%+サステナビリティ指標に基づく報酬(以下①~③)の合計額
①【GHG排出量】取得価格総額×0.002%×表1の倍率
②【環境認証】各物件の取得価格×0.001%×表2の倍率
③【GRESB評価】取得価格総額×0.001%×表3の倍率
運用報酬2
(収入連動報酬)
総収入額×1.2%
運用報酬3
(分配金連動報酬)
分配可能基準額(不動産等売却損益を除く)×3.8%×1口当たり分配可能基準額の変動率(注2)
運用報酬4
(取得/合併報酬)
取得価格×1.0%(利害関係者からの取得の場合は0.5%)
運用報酬5
(売却報酬)
不動産等売却益×12.5%(注3)
  • 取得価格総額とは、直前の決算期末において保有する運用資産の取得価格の総額をいいます。
  • 1口当たり分配可能基準額の変動率は、下限80%、上限120%です。
  • 売却価格に0.5%を乗じた金額を最低報酬額とします。
(表1)
倍率 1+GHG(温室効果ガス)排出量削減割合
(表2)
環境認証(注1) ★~★★★
(未取得含む)
★★★★ ★★★★★
倍率 1.0 1.1 1.2
  • 環境認証は、DBJ Green Building認証、CASBEE不動産評価認証、BELS評価を対象とします。
(表3)
GRESB評価 ★★ ★★★ ★★★★ ★★★★★
倍率 0.8 0.9 1.0 1.1 1.2

利害関係人との取引

投資法人の資産運用では、投資法人の利益とTRIMスポンサーとの利益が相反することがあります。
そのような場合に損失が生じるのを防ぐために、JPR及びTRIMは法令に定める規制の水準を超える厳格な利益相反の防止体制を整えています。

●JPRの利益相反防止体制
役員会規則において、役員会決議について利害関係を有した場合に、執行役員及び監督役員が議決に加わることを禁止する規程を設けております。

●TRIMの利益相反防止体制
JPRと利害関係者との間の下記の①から⑥記載の取引案件については、原則として毎月1回開催されるコンプライアンス委員会(代表取締役社長、財務経営本部長、投資運用第一本部長、投資運用第二本部長、コンプライアンス室長及び特別委員にて構成)にて、対象案件の取引についての妥当性及び合理性について審査・検証を行っています。同委員会には、現在は社外の弁護士を特別委員として選任しています。
コンプライアンス委員会にて了承された案件の取引を実行するには、JPRの役員会の事前承認を必要としており、こうした複数の実効性のある検証を経た上で取引は行われることになっています。

このような審査・検証及び事前承認という内外の牽制により、利益相反取引に対する厳格な監視態勢を整えています。

  • ➀利害関係者からの物件・資産の取得
  • ➁利害関係者への物件・資産の売却
  • ③利害関係者への不動産管理委託
  • ④利害関係者による売買の媒介又は代理
  • ⑤利害関係者に対する工事の発注(1,000万円超の工事の場合)
  • ⑥利害関係者への物件の賃貸(注)
  • 利害関係者への物件の賃貸とは、①新規に利害関係者と賃貸借契約を締結する場合及び②賃貸借契約の更改等において、当該物件における平均賃料(利害関係者を除きます。)を下回る増減額改定又は据置きの場合をいいます。

内部監査

TRIMは、企業理念に「顧客への誠実と責任」「従業員への誠実と責任」「社会への誠実と責任」及び「株主への誠実と責任」を掲げ、ステークホルダーの信頼に応えることを行動の基本とするとともに、法令・諸規則やスポンサーの東京建物が定めた内部統制基本方針に基づき、業務の適正を確保する体制を整備しその徹底・浸透を図っています。
TRIMでは「内部監査規程」を定め、内部監査体制、内部監査の計画・実施・報告・フォローアップに関する基本的事項を定め、内部監査活動の円滑かつ効果的な運営に取り組んでいます。内部監査は腐敗や不正行為、倫理規定を含むすべての業務について実施され、代表取締役社長の下、コンプライアンス室長を内部監査責任者とし、課題が発見された場合には担当部署に改善勧告・指示を行います。監査結果については、資産運用会社の取締役会へ報告が行われます。
また、内部監査は年に1回実施しており、一部の監査業務については外部の専門機関に業務委託を行うことで外部視点による評価を行う仕組みも導入しています。

コンプライアンス・企業倫理

JPRの持続的な成長のためには、コンプライアンス・企業倫理は必要不可欠です。TRIMは資産運用の適正性及び業務の健全性・適正性を確保するとともに、法令等に基づく義務を全うしつつ、JPR及びその投資主、テナント等の様々なステークホルダーの期待や信頼に応えていきます。

TRIMの「コンプライアンス基本方針」

TRIMは投資運用業の社会的役割を正しく認識し、投資家および社会からの信頼を守り育てていくために、全役職員が崇高な職業倫理と法令遵守の精神を全うし、誠実・健全な業務の運営・遂行を行うために、役職員の行動規範として以下に掲げる基本方針を遵守します。

  • 役職員は投資法人資産運用業の業務遂行にあたっては、業務関連諸法令、政省令、業界自主ルール、社内諸ルール等(以下「諸法令等」といいます。)に定められた公的規制・自主規制を遵守します。
  • 役職員は、前項諸法令の趣旨・内容をよく理解し、自らの行動が外見的に諸法令等の規定に沿っていても、実質的に規定の趣旨・内容を逸脱する場合、このような行動は厳に慎みます。
  • 役職員は、金融の自由化・運用制限の緩和の進展等がリスクの増大・多様化をもたらすとともに、経営の自己責任原則を一層求められるものであることを認識し、リスク管理の徹底に努めます。
  • 役職員は、投資者および社会からの信頼を維持・向上し得る投資法人資産運用業に係る業務を遂行するために、運用能力・リスク管理能力の向上に努めます。各部門は、係る業務目的を達成するため、所属員の能力向上に資する体制整備を図ります。
  • 役職員は、公正かつ自由な競争の確保が当社の存続および健全な発展に不可欠であることを認識し、競争制限を目的とした業界会合、他社との取引制限的な取り決め、取引上優越した地位を利用した取引先の事業活動の拘束、取引条件等の不当な差別等、公正な競争を阻害する行為は行いません。
  • 役職員は個人情報保護の重要性を十分認識し、顧客データその他の社内情報の取扱については、社内規程に則り適切かつ厳正な管理を徹底します。
  • 市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力に対しては、金品の供与はもとより寄付金・賛助金の提供および情報誌の購読ほかあらゆる要請に対し、公私を問わず断固として拒絶します。
  • 犯罪行為から生じたマネー・ローンダリング(資金洗浄)を防止します。
  • 会社の資産・経費の公正・効率的な活用に努め、公私混同・冗費の支出等、不適切・不正・非効率な使用を行いません。
  • 国内外の公務員またはこれに準じる者に対し、営業上の不正の利益を得るために、直接・間接を問わず、金銭その他あらゆる有形・無形の利益の提供またはその申し出・約束をしたりする贈賄行為を行いません。その他の横領、詐欺、欺瞞等の汚職行為を行いません。
  • 当社は政治や行政とは透明かつ健全な関係を保ち、原則として政治献金を行わない方針とします。
  • 就業規則・労働協約等を遵守し、健全・効率的・快適な職場環境を確保します。また、役職員間で、①金銭貸借およびこれに準ずる行為②社会通念上相当と認められる範囲を逸脱する儀礼的な贈答等は行いません。
  • 個人の人権・人格を尊重し、国籍・性別・性自認及び性的志向・出身地・宗教・信条・病気・身体的特徴等を理由に差別的な行動をとること、また、セクシャル・ハラスメント等につながる行為を行うことは、社会一般の常識からも許されないものです。また、当社はいかなる国・地域においても、児童労働や強制労働を認めません。
  • 公共性の高い事業に携わっていることを十分認識し、社会生活においても倫理観を高める努力を怠らず、社会的良識をもって行動します。

コンプライアンス推進体制

  • コンプライアンス委員会では、現在は外部の弁護士を特別委員として招聘しています。
  • コンプライアンス体制強化のため、外部のアドバイザーと内部統制の強化に関する助言を受けております。
  • コンプライアンス統括責任者は、法令・社内規程等諸規則に抵触する行為の執行を差し止める権限を有しています。

コンプライアンス及び企業倫理研修の実施

TRIMでは、契約社員も含む全役職員に対して、コンプライアンス意識及び企業倫理の啓発を目的とした研修を定期的に実施しています。本研修には原則全員が参加を義務付けられており、研修後にはアンケートや確認テストを実施するなど、コンプライアンス及び企業倫理の浸透に取り組んでいます(なお、TRIMにはパート社員及び請負社員はおりません)。

2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
実施回数 12回 8回 8回 8回 11回
受講率(%) 100 99.1 97.7 98.6 98.4

ヘルプラインの設置

東京建物グループでは、グループ共通で利用が可能な「東京建物グループ ヘルプライン」を設置し、法令違反や贈収賄行為・不正行為・ハラスメント等のコンプライアンス違反の未然防止、又は早期に解決するための内部告発・通報・相談を受け付けています。同グループのすべての従業員(パート・アルバイトを含む)及び退職者、業務に従事している派遣社員・委託先社員等が利用でき、実名及び匿名でも対応します。また、公益通報者保護法の精神に則り、内部告発・通報などを行ったことを理由に通報者が不利益な扱いをされることなく、相談者のプライバシーが保護されます。
内部告発・通報等は、東京建物法務コンプライアンス部に報告され、内容に応じてTRIMを含むグループ各社の担当部署で調査・事実確認などを行います。調査の結果、コンプライアンス違反などの重要な問題が発見された場合には、TRIMのコンプライアンス規程に基づき是正措置及び再発防止措置をとるなど厳正な対応を行います。より重大な事案については、東京建物のリスクマネジメント委員会が招集され対応します。

東京建物グループ コンプライアンス行動指針

内部通報保護制度

TRIMは、公益通報者保護法に則った内部通報規程を制定し、不正行為等の存在を認識した者が通報する際に関わる事項を定め、組織としての自浄作用を発揮させ、損失の最小化に努めています。また、通報者を適切に保護するため以下の規程を定めています。
・通報者等を適切に保護し、通報又は調査への協力を理由に不利益な取り扱いを禁止し、不利益な取扱いが行われないように適切な措置をとらなければならない。
・従業員等は通報者等に対してその通報又は調査協力を理由に不利益な取扱いをしてはならず、通報者等の探索をしてはならない。
・内部通報に対応する者や通報案件内容を知った者は、一切の内容について守秘義務を負い、正当な理由なく第三者に開示してはならない。
・違反行為が明らかになった場合には、会社は速やかに必要な是正措置、救済措置及び再発防止措置を講じるほか、その違反行為に関与した者に対し、規程等に従って必要な指導、指示、処分等を行う。
もし、通報者や調査協力者等に対し報復行為があった場合には、同規程違反となり厳正に処罰されます。また、当該制度について研修等で周知・徹底を継続的に行い、問題となる事象の早期検知・課題解決に取り組んでいます。

TRIMの相談・通報件数(期間:4月~翌年3月)

2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
件数 0 1 0 1 1

汚職防止・贈収賄防止

東京建物グループでは「法令等を遵守し、公正で健全な企業活動を行います」というコンプライアンス憲章を掲げています。この宣言を実現するため、東京建物グループ贈賄防止指針を制定し、贈収賄や汚職などの腐敗防止に取り組んでいます。具体的には、研修等を通じてコンプライアンス・マニュアル、東京建物グループ賄賂防止指針に定める行動指針の周知・徹底を図っています。
TRIMの汚職・贈収賄防止に関するポリシー(「コンプライアンス基本方針」(10)、(11)条)は以下の通りです。

  • 国内外の公務員またはこれに準じる者に対し、営業上の不正の利益を得るために、直接・間接を問わず、金銭その他あらゆる有形・無形の利益の提供またはその申し出・約束をしたりする贈賄行為を行いません。その他の横領、詐欺、欺瞞等の汚職行為を行いません。
  • 当社は政治や行政とは透明かつ健全な関係を保ち、原則として政治献金を行わない方針とします。

また、TRIMはコンプライアンス・マニュアル等において、贈収賄、マネーロンダリング等の不正行為を行わない旨を定めており、不正行為を行ったものは厳格に処分されます。そのため、定期的に取引先等との接待や受領品に関して事後検証を行い、不適切な事例がないか確認を行っています。不適切な事象があった場合には、規程により適切な対応を行います。
これまでに腐敗に関する罰金罰則等の適用はありません。

項目 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
不正・腐敗に関する摘発件数
不正・腐敗に関する処分・解雇件数
不正・腐敗に関する罰金・罰則・和解の費用
政治献金の金額

反社会的勢力との取引防止

我々は、市民社会の秩序や安全に脅威を与え、経済活動に障害となる反社会的な活動や勢力とは一切の関係を持ちません。反社会的勢力から不当な要求を受けた場合、金品の供与はもとより寄付金・賛助金の提供等あらゆる要請に対し、断固として拒絶します。
また、TRIMにおける反社会的勢力による被害を防止するとともに社会的責任を果たすことを目的として「反社会的勢力への対応に関する規程」を策定し、平素から警察・弁護士等外部専門機関と緊密に連携して反社会的勢力の排除に努めています。

リスクマネジメント

我々は投資主価値の向上に向けて、運用に影響を及ぼす可能性のあるリスクを適切に管理するため、実効性ある管理体制を整備し、継続的なモニタリングの徹底を図っています。近年の社会情勢の変化や、多様化及び複雑化していくリスクに有効かつ的確に対応するため、リスクマネジメントの強化に努める方針です。

JPRのリスク管理体制

JPRの執行役員は、3ヵ月に1回以上の頻度で役員会を開催することが定められており、実際の運用においては、原則として1ヵ月に1回程度の頻度で役員会を開催しています。役員会においては、法令で定められた事項に加え、利害関係者との間における一定の取引、更にJPRの運営及びTRIMの業務遂行状況の詳細な報告を行います。これらの手続等を通じ、JPR及びTRIMの利害関係者等から独立した地位にある監督役員が、執行役員の業務遂行状況を的確に監視できる体制を維持しています。
JPRは、TRIMから各種報告を受ける権利及びTRIMの帳簿その他の資料の調査を行う権利を有しており、これらの権利の行使により業務執行状況を監視できる体制を維持しています。
加えて、JPRは内部者取引規程を定め、役員のインサイダー取引等の防止に努めています。

TRIMのリスク管理体制

TRIMは、リスク管理を行う組織・体制として代表取締役社長をリスク管理最終責任者、コンプライアンス室長をリスク管理統括責任者(コンプライアンス室はリスク管理統括部門)、各本部長及び各部室長をリスク管理責任者としております。
また、リスク管理の実効性を高めるため、リスク管理に関する審議機関としてリスク管理委員会を設置し、原則として年4回開催しています。委員会の委員は、代表取締役社長(委員長)、投資運用第一本部長、投資運用第二本部長、財務経営本部長、コンプライアンス室長であり、特別委員として社外弁護士が加わっています。

リスク管理委員会の主な審議事項は以下のとおりです。

  • リスク管理に関する基本方針、規程、内規等の策定・改定・廃止
  • リスク管理に関する組織体制の整備
  • リスク管理に関する計画の策定・変更
  • リスク管理の洗い出し・評価・対応・モニタリング・改善状況
  • 新たに発生したリスクへの対応
  • 日常のリスク管理方法の高度化
  • リスク管理に関する役職員への啓蒙
  • その他リスク管理に関する事項

委員会における審議の内容、経過並びに結果については、取締役会に報告します。

その他、運用および管理に係るリスクについて、原則としてレベルの異なる、複数の検証システムを通じてモニタリングし、管理しています。

  • 運用ガイドライン遵守
    運用ガイドラインを通じ、ポートフォリオ運用基準、投資基準等を定めています。このガイドラインを遵守することにより不動産や不動産信託受益権等に係るリスクの管理に努めています。
  • 決定プロセスの明確化
    投資政策委員会規則を定め、本投資法人の資産運用に係る重要な事項の決定プロセスの明確化を図っているほか、不動産の調査、取得、運営管理その他の業務それぞれにおいて事務手順書を作成する等、客観的な業務手順を確立してリスクの管理に努めています。
  • 利益相反リスク防止
    コンプライアンス規程及びコンプライアンス・マニュアルを定めています。投資政策委員会に先立ってコンプライアンス小委員会による法令遵守の確認、コンプライアンス委員会における利害関係者との取引等についての利益相反の有無の確認を行い、これによって法令違反のリスク、利益相反のリスク防止に努めています。
  • インサイダー取引防止及びフォワード・コミットメントの管理
    内部者取引規程を定めて、役職員によるインサイダー取引等の防止に努めています。また、フォワード・コミットメントマニュアルを定めて、フォワード・コミットメントを行う際に、特に慎重な審査及び十分な審議を経ることとし、リスクの管理に努めています。

情報セキュリティ

我々は、継続的安定的に事業を行う上で、情報の適正な活用と不正アクセス・情報の紛失漏えいなどの防止に努めています。情報管理にあたり、さまざまな脅威(故障・災害・誤処理・不正使用・破壊・盗難・漏えい等)に対する安全対策を実施し、障害発生に備えた復旧対策を準備し、障害などに備えるコンティンジェンシープランを整備しています。 TRIMにおいては、セキュリティ管理態勢を整備し、情報管理を統括する情報管理統括部門を設置しています。当該部門は、定期的調査により情報の管理・保護の適正性を推進しており、安全対策や障害時の態勢を整えています。